今を生きることはむずかしいことか?

最近、今を生きていると実感したことはありますか?

今生きている人は地球上に数えきれないほどいますが、今「を」生きている人は少ないのではないでしょうか。

 

古東哲明さんが書かれた「瞬間を生きる哲学」を読み、現代社会で今を生きるむずかしさを改めて認識しました。

 

人間は、今のところは過去に戻ることも未来に行くこともできません。

つまり、私たちが生きられるのは今このときだけです。

 

人間は今しか生きることができない一方で、多くの人が「今を生きていない」のはなぜなのでしょうか。

 

あのときのことを後悔している…

明日のことを思うと不安になる…

 

多くの人は、今のことではなく、過去や未来のことばかりを考えています。

考えても仕方がないと頭では理解していても、グルグルと考えているうちに今は過去になっていきます。

 

今を犠牲にして未来のために頑張っている…

なんだか素敵な響きですが、今を犠牲にして勝ち得た未来では、またその先の将来のために生き、今を生きれていないかもしれない。

 

私たちが生きることができるのは今だけです。

将来のためと犠牲にした今は二度と戻ってきません。

 

今を生きれているかな。今を楽しめているかな。今に集中できているかな。

自分が生きているのは今なんだということを自覚し、もっともっと今を大切にしたいと思いました。

 

「今」に集中したら、今より多くのことを感じ、学ぶことができます。

そして、今を充実させることが、未来をより充実させることにつながるでしょう。

 

未来や過去のことをまったく考えないことは不可能ですし、する必要がありません。

ただ、私が生きているのは今なんだと自覚することが「今を生きる」ことの一歩目となるのではないかと考えます。

 

 

娘の幸せを願う父親の心の矛盾

親は、娘が思い悩み悲しんでいたら同じように苦しい気持ちになるけれど、娘が幸せの絶頂にあっても心配になる…

2022年公開の「Ticket to Paradise」で、父親のデヴィッドが口にした言葉です。

 

Ticket to Paradiseは、離婚した夫婦が一人娘の国際結婚を阻止するために奮闘するロマンス・コメディ映画です。

映画の主な舞台となる南国の島、バリ島の色鮮やかな自然と透き通った美しい海に心を奪われた1時間44分のなかで、最も印象に残ったのは娘の幸せを願う親の心の葛藤でした。

 

人の親でない私でも、娘が悲しんでいるときに何とかしてあげたいと思う親心は理解しているつもりでしたが、娘が幸せであっても心配はつきないことを再認識しました。

 

親は、子どもより長く生きているからこそ、「幸せが永遠に続かないこと」を実体験として知っています。

だからこそ、子どもが最高に幸せそうに暮らしていても、不安や心配がなくなることはないのです。

 

親と子どもは別の人間で、娘には娘の幸せがあると頭では理解していても、子どもの幸せを思うばかりに、少しでも安定したレールを作りたくなってしまう…

親がどうあるべきかだけでなく、親から子へのはかりしれない愛情について改めて考えることができました。

 

親と子の関係性・在り方に正解はないかもしれないけれど、今家族と一緒に過ごせる時間を何より大事にしたいと思わせてくれる映画でした。

 

 

 

最近心が動いた瞬間を覚えていますか?

私は、「心が動く」という表現が好きです。

「心が動く」とは、経験をとおして何らかの感情を持つことです。

感動やわくわく感のようなプラスな感情だけでなく、恐れや不安などのマイナスな感情もふくめて、何らかの感情が生まれたら「心が動いた」ということになります。

 

「心が動く」と、生きているんだなと実感できます。

また、自分の言葉や行動が良い意味で誰かの心を動かせたときにも、生きている意味を見出せます。

 

生きていれば、毎日心が動く瞬間があるはずです。

しかし、忙しい日々が続くと、ちょっとした感動やモヤモヤがあっても、立ち止まって心の動きに集中することはできません…

少しでも自分の心の動きに敏感になれたなら、自分にも他人にも今より少し優しくなれるんじゃないかなと思います。

 

感動や怒り、悲しみをはじめとする感情は、心が動いた瞬間にははっきりと覚えていても、時間が経つと少しずつ思い出せなくなってしまいます。

心が動いたことすら、忘れてしまうのです。

 

忘れるからこそ生きていけるという考え方もできますが、覚えておきたいことさえも簡単に忘れてしまうのは、とても寂しいことだと思います。

 

ブログのなかに「心が動いた瞬間」を残していきながら、読んでいただいた方の心を少しでも動かせたら嬉しいです。